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工業技術が高度に発展し続けた今日、自然の循環系や生態系を介して私たちが日常食べる食品の中にも、さまざまな化学物質の汚染が懸念され、多くの人々が食品に不安を感じるようになりました。 これまでにも、食品添加物や残留農薬、残留動物用医薬品など、食品中のさまざまな化学物質については厳しい規格・基準が定められ、食の安全性確保の努力が払われてきています。 最近では1996年、アメリカで出版されたシーア・コルボーン博士らによる「奪われし未来」がわが国でもベストセラーとなり、いわゆる環境ホルモンという新たな問題が世界的に注目され、また、1998年にはお茶の葉のダイオキシン汚染が大きく報道されたことも記憶に新しいところです。
「奪われし未来」では、いろいろな化学物質や天然物質によって、野生生物や人の健康に起こるさまざまな異常現象、特に生殖機能と関連した変化が事実と推定とが混在しつつ紹介され、多くの人々が不安を感じるようになりました。 「環境ホルモン」、正しくは「内分泌かく乱物質」とは“動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質”のことをいいます。 現在、内分泌かく乱物質として疑われている物質は国や調査によって異なりますが、環境省は殺虫剤、除草剤、殺菌剤、プラスチックの可塑剤など約70種類を疑わしい物質としています。
自然界で起こっているさまざまな異常現象と、疑われている化学物質との因果関係はほとんどが解明されておらず、あくまでも現時点では「仮説」の域を出ません。 しかし、「仮説」が実証されるのには、大変な時間がかかりますし、社会の不安や疑問を増すことになります。 行政も研究者もこの「仮説」を真剣に受け止め、国際的な連係をとりつつ、多くの調査・研究が進められ、また、未然防止の対策もとられてきています。
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